第1話 
「伝説の勇者?」


やばい、目がかすんできた。こんなところで死んでしまうのか。
ははっ、お笑いもんだぜ。
俺の名前はサン、現在生きるか死ぬかの真っ只中。その理由は
村の人たちにおまえは勇者だとか言われて、調子に乗って旅に出て
見つけた森に入り迷ってもう5日。食料も水もすべてなくなった。


丁度うまい具合にそこに一人の少女が通りかかった。


「薬草、どこかなー」


えっ、人の声がする。ラッキーこれで生きれる。

「ぁっ・・・・・」

ガーン、声が出ない!最悪だ。なんだか熱も出てきたような気が
意識ももう・・・・・ ドサッ
「えっ・・何」
少女は、何かが倒れたのに気がついた。
恐る恐る少女は音のしたほうに向かった。

ガサガサ

草をかきわけて奥を覗くとそこに倒れてたのは一人の青年だった。
その時少女に異変が起きた。

ドクンッドクンッ

全身の血が騒ぎ始めた。ふと不思議な感覚にとらわれる。
もう一人のじぶんがこの人を助けろという。
なぜかわからないがそんな感じがした。
急いで青年にかけよりその状態を見た。
「大丈夫、まだ生きてる。でも脱水症状が出てる。」
少女は急いで水を汲みに行った。


そのころサンは
(あれ、さっきのは幻聴なのかやっぱりいない。)
さっき聴いたあの声は幻聴と想い絶望していた。


少女が水を持ってサンのところに戻ってきた。
「あっ、目覚ましたんだ。はいっお水。」
サンはわけがわからないが助かったと感じた。
「ありがとう。」
そう言って水を受け取ると、がぶがぶと飲み始めた。
「プハー、生き返ったよ。」
そう言うと、少女は笑って
「だって死にかけてたんだから、あたりまえだよ」
と怖いことをさらっと言う。
「いったい何してたんですかこんなとこでこんな状態になるまで。」
まさか言えないよな、道に迷ったとは。
サンはそう思いいろいろわけを考えた。
「道に迷ったんですか。」
「グッ、何でわかったんだ。」
そう聞き返すと少女は
「だって、口に出して言ってましたよ。自覚ないんですか。」
グハッ、口に出してしまうとは。
まるでサンは某奇跡ゲームの主人公みたいだった。
「まあ、助けてくれてありがとう。えーと」
まだ少女の名前を聞いてないことを思い出す。
「えーと、君の名前はなんて言うの。」
「琥珀(こはく)と言います。あなたは。」
「俺か、俺は」
言いかけたとき言葉がつまった。
別に記憶喪失ってわけじゃない。
琥珀の後ろにいきなり大きな熊が出現したからだだ。
「危ない。」
俺はそう言い放つとと琥珀を突き飛ばした。
そして・・・・
ザシュッ、熊のつめがサンの腹部を襲った。
(俺って・・最近ついてねーな。)
そして意識がなくなった。


戻る