「こんな、こんなことになるなんて……」
いつもはポーカーフェイスな香里が、今は、今だけはその表情を崩し、その内面に巻き起こっている激情を隠すことはできなかった。
そこに浮かんでいるのは、驚きと、後悔と、そして、絶望に似たもの……
でも、多分、オレも香里と似た表情をしている違いない。
「認めない、こんなこと、オレは認めない……」
頑なに、現実を拒否したくなる。
でも、起きた事は、もう、変えることは、できない。
それゆえに、「現実」というのだから。
でも、時に、人は現実を見つめることを、止めたくなる時がある。
自分の許容量を越える出来事が目の前で起こる時が、そうだ。
オレが、あゆの事故を目の当りにして、記憶を封じたように。
香里が、栞を忘れようとしたように。

でも、オレたちは、直面してしまった。
認めたくない、「現実」に。

「いつかは……来るもんだと、心のどこかではわかっていたさ!」
それでも、来て欲しくはない、と心のどこかで願っていたこと。

「もうちょっと、先のことだと思っていたのよ!」
そう、どこかで、すっと先だって、思っていたこと。

オレたちは禁忌に触れてしまったのだろうか……
絶対、触れてはならなかった、領域に……

「栞が……」
激情を抑えるかのように肩を両手で抱く香里。
その様子は見ていて、こちらが苦しくなるような、そんな悲壮さが伝わってくる。

「栞が、あいつが―――」
無意識に口元に手がいってしまう。
まるで、その言葉の先を言うのを拒むかのように。
言えば「それ」を認めたくなくても、認めてしまう……そんな気がしてしまって。

でも、人はいつまでも逃げてばかりではいられない。
いつだって、人は目の前のことを、受け入れなければならないのだから。

オレと香里ゆっくりと口を開く。
全てを受け入れる、壮絶な覚悟を胸に―――
そして、叫んだ。

















「「栞が、絵で賞をとるなんて!!」」







「そんなこと言う人たち大っ嫌いです!!」








猫と子猫の狂想曲
〜幸せのカタチ〜
Written By HIIRO





最初は一本の電話だったらしい。
それをとったのは幸か不幸か香里。
そして電話の相手は所属と団体名を名乗り、栞を呼んで欲しいと頼まれた。
香里は、なんでそんなとこから?と疑問に思いながらも、一応リビングでドラマを見ていた栞を呼んだ。
栞は受話器を受け取ると、相手と会話をはじめた。
香里はその時、栞の目の輝きが徐々にスゴイものになっていく変化を、目の当たりにしていたらしい。
そして栞は、受話器を戻すやいなや、第一声が―――

「お姉ちゃん! 私、絵で特別賞を貰っちゃいました!!」

その絶叫にも似た声が美坂家に響き渡る。
その時、香里は妹の言葉を一字一句考えながら、頭の中で理解しようと努めていたらしい。
香里曰く、「一気に理解できない情報を与えられると、人って処理するのに時間がかかるのね……あの時は、特に」と、後にオレに語る。

(栞が、絵で、賞を、貰う………)
そんな言葉の羅列だけが回っている香里の頭の中。
そして、それをやっと、理解したとき―――

「うそーーーーーー!!!!!!!!」

さらに美坂家を絶叫が響き渡った……らしい。

ちなみにこの後、あまりのショックのためにか、香里は失神してしまい、次の日の昼まで目を覚まさなかったらしい。
春休みの二日目に入ってたから助かったわ、と後にオレに香里は語る。



そしてその電撃的絶叫……ではなくて、発表の次の日(香里が目を覚ました後に)オレは二人に(と言うか、主に栞に)強制連行され、美坂家に強制収用されていた。
そして、大まかな事情を聞いた後、香里と共に現実逃避する事態になったわけであった。
ちなみにこの件の中心たる栞は……オレたちの目の前で膨れていた。
「なんで現実逃避してるんですか! ここは私の才能を認め、褒め称えてくれるのが当然というか、セオリーであるはずです!!」
その言葉にオレたち(オレと香里)は顔を見合わる。
「……いやぁ、まぁ、日本の絵画界も革新が起きたんだなぁ、って再確認ができたな」
「そうね、日本も変わっていくのね、ピカソとかの抽象画みたいなのを主体にするのかしらね」
そんな事を言いながらオレたちは(さりげなく)栞を褒めるのを避けていく。

『言えるか、そんなもん』

間違いなくオレたち二人の心中にはこの言葉があっただろう。
訳は言うまでもないことだが。
栞の表彰を受けた「絵」を二人とも見ていた。(強制的に見せられたとも言う)
「一応」風景画らしいが、オレたちから見ればこの世の終末か、異次元の混沌たる世界を描いているとしか思えない代物だった。
それを栞はオレたちの知らぬ間に作品展に応募していたらしく、それが……今回の事態を招く結果になったのだった。

「香里、世の中ってわからないものだな……」
「ええ、まだまだわからないものね……」
「……あくまでも認めくないみたいですね」
栞がオレたちを睨みながらうめく。
しかし、なぜか栞はいきなりニコッと笑顔になった。
「でも、お祝いにほしい物としてほしいことがあるんですけど、これぐらいは聞いてくれますよね♪」
「金はないからな」
「高いものはだめよ」
即座に釘を刺す。
特に経験上、栞には「ジャンボデラックスパフェ(¥3500)」考えられる。
これだけは回避しておきたいからだ。
「違いますよ」
『笑顔』で栞は否定する。
どうやら物品の類ではないようだが……不安になるのはなんでなんだろな……
そして、爆弾発言はその直後に来た。



「あのですね、祐一さん、『おにいちゃん』になってください。お姉ちゃんは『メイド』になってください」



「「………………………………………………」」



オレたちはすぐには理解することはできなかった。
お兄ちゃんと…………メイド????

「「ええええーーーーー!!!!!!!!」」
美坂家に今日も絶叫が響き渡ったのだった。



「どういう意味だ、栞!」
「どうもこうも、言葉どおり、ですよ」
「それ……私のセリフ……」
オレが問いただすも、笑顔の栞はさらっと切り返してくる。
ちなみにセリフをとられた香里は下を向いて膝にのの字をかいていた。
「だいたい、なんなんだよ、お兄ちゃんと、メイドって」
「私、お兄ちゃんが欲しかったんですよ♪あと、お姉ちゃんのメイド姿も見てみたかったし―――」
前者はいいとしても、後者はどこからきた願望なのか、少し問い詰めてみたいところだった。
「私は持ってないわよ、メイド服なんて」
先ほどのショックから立ち直った香里が、栞の声を遮って言った。
まぁ、普通は持ってないわな、メイド服なんてものは。
「大丈夫です」
だが、その正論すらも、栞はたやすく突破してみせた。
「すでに手配は済んでます。祐一さん、先ほど持ってきてもらった、秋子さんからの荷物の箱をこっちに」
「……これか?」
さっき、強制連行される時に、なぜか秋子さんから手渡されたものだった。
ダンボールの箱だったが、そんなに重くはなかったし、結構気楽に持っては来たが。
……まさか――
「ほら♪」
栞は箱からメイド服一式を取り出して、香里に掲げて見せた。
栞の笑顔に反比例して、香里の表情が沈痛なものになっていくのがよくわかった。
「……なんで私が?」
「二人とも、祝おうとはしてくれませんでしたからね〜」
栞の笑顔は揺らぎもしなかったが、口調が恐ろしいほど冷たかった。
間違いなく、すねていた。
そしてオレたちは経験上、すねた栞にはこちらが折れないと決着のつきようがないことをよく知っていた。
「「……………」」
オレと香里は顔を互いに見合わせ、栞には気づかれぬよう、そっとため息をついた。
いつものことなのだが、軍配は栞にあがったのだった。



オレこと相沢祐一は、今まで別に女性の服には執着は特に持ってはいなかった。
北川辺りに、以前そう話した時。
「お前は漢じゃね〜!」「不純だ!」
などと叫ばれたが、それは個人的な趣味なのだから仕方がないことだと思いはした。
だから、奴曰く、「メイドとナースとエプロンははずせない」
さらに、「属性も必要。『いもうと』や『幼馴染』はサイコウさ!!」
などと豪語していた。
きっぱりと興味のなかった話であったし、自分がそういうものを好きにはなるとはこの時は思いもしなかった。

だが……今日、オレはその意見を反転させなければいけなくなったようだ。
北川……共に道を歩むことになるかもな……



「どうです? 『お兄ちゃん』?」
「グットだ、マイシスター栞」
親指をぐっと立てて、満面の笑みでオレは栞にうなずいた。
既に栞がオレを呼ぶのに『お兄ちゃん』になっているのは、まぁとりあえずは置いておいて。
オレがハッスルしているのは、オレと栞の前に立っている香里の姿のせいだった。
言うまでもなく、メイド仕様の香里である。
特に、特に「いい」のは、普段からそこそこ大きいとは思ってはいた香里の胸がさらに強調されていて、もう北川あたりなら、一発で昇天しかねない魅力大爆発だった。
しかも、オレたちの言葉に真っ赤になって俯いて恥らっている姿もオレの中では高ポイントをはじき出していた。
(北川……確かに、メイドはいいものだな)
オレは心の中で我が友に声をかける。
オレの中で北川のポイントが一つ上がった(現在マイナス13ポイント)

「栞、着て見せたから、もういいでしょ、脱いでいい?」
「だめです、明日まではその格好でいてください」
栞の返答はにべもなかった。
そこで、オレもふと気づいたことを栞に尋ねる。
「栞、オレの呼び名も明日までだよな?」
「……さぁ、それはどうでしょうね、今日は一晩中は呼ぶつもりですけど」
意味ありげな顔で栞はそう言った。
「……まて、一晩中ってどいう意味だ?」
「今日は祐一さんはこのままお泊りなのでは?」
香里を見る。
ふるふると首を振り、私は知らないと目線で訴えてくる。
栞に視線を戻す。
「今日から、家に誰もいないんですよ、両親が用事で当分帰ってこないもので。だから祐一さんに来てもらったんですよ。二人とも、祐一さんが居てくれるなら、安心できる、心配ないなって。あっ、それと秋子さんにはもう了承済みですよ」
栞のお得意のマシンガントークにより、反論をする前に全てを封じられる。
そして、栞は止めとばかりに、オレに二通の手紙を見せる。

一枚目には『娘たちをよろしく』『都合で、数日家を空けるので、娘たちと一緒に居てやってほしい』という美坂両親からのメッセージ。



……あんたらは男に娘たちを任せても平気なんですか、と声を大にして言いたい。



二枚目には至極簡潔にこう書かれていた。



『了承』



……何を了承なんですか、秋子さん。
しかも確認してみると、先ほど栞がメイド服を取り出したダンボール箱の中にオレの数日分の代えの服まで入っていたし。

(…………?)
ふと気付き、手紙を裏返す。
何かが書かれている。



『ちゃんと予防はするように(あと、帰ってきても家にはいれませんよ、栞ちゃんとの「約束」なので)』



何を予防なんですか!? 秋子さん!
しかも約束って……栞、秋子さんに何か取り付けたな。



「ちょ、ちょっと、相沢君が泊まっていくっての!?」
さすが常識人香里。
慌てるわな、普通なら。
……服は現在とても非常識ではあるけどな。
「違いますよ、お姉ちゃん」
なぜか、栞が否定する。
「相沢君、ではなくて『お兄様』 もしくは『ご主人様』 です」
そっちの否定だったらしい。
ちなみにオレは特に何も言おうとはしなかった。
別に香里に『お兄様』 とか、『ご主人様』 と呼んで欲しかったからではない。
……多分。
その理由はただ一つ。
できないから、だ。
逆らうことが。

「香里……無駄だ……」
「なっ、何がよ」
赤くなってさらに慌てる香里。
何でそういう反応をするのかはわからなかったが、ひとまずそれは横において、オレはゆっくりと、静かに告げた。
「栞のバックには……秋子さんがいる」
簡潔な一言であった。
しかし、その一言には何百の論理よりも強い説得力と、リーサルウェポン並みの破壊力があった。
バタッと崩れ落ち、膝をつく香里。
香里にも、オレの一言の意味を全て悟ったらしい。
逆らうことがいかに無駄なことであるかを。
(オレンジ色の、恐怖……)
オレは遠い目をしながら、そんな言葉を思った。
ついでに、人はこうやって何かを諦めながら大人になるんだな、何て哲学的なことも考えたりもした。
「と、いうことで! お兄ちゃん初のお泊りです! おおいに楽しみましょう!!」
二人が黄昏ている中、栞だけが元気全開だった。



人は時に苦境に立たされるときがある。
それは、例えばテストであったり、高校生でいえば受験などがあったりする。
もっと日常でいえば、名雪との朝のぎりぎりの登校だったり、時に食卓に出されるオレンジ色のジャムだったりもする。
そんな時、もっとも賢く切り抜ける方法はいったいどんなものだろうか。
それは多分人それぞれなんだろう。
ちなみにオレの対処法は……その状況を逆に楽しむことだったりする。



「わはははは! よっしゃ、次いくぞ、次!」
「ゴーです! お兄ちゃん、もう一缶!」
「よし、妹よ、今宵の兄は一味違うぞ!」
既にマトモな意識など飛んでいた。
酒を一気飲みし、騒ぎ立てる方法。
現実逃避にはもってこいの方法だった。
「はい……ご主人様」
頬を赤く染め、目が潤んだ香里がオレにお酌をしてくれる。
シラフの時だったら、間違いなくノックアウトものの色っぽさを今の香里は出していた。「おう、サンキュー!」
しかし、今のオレにはあまり効果はなかった。
ただただ、酒を飲み続け、暴れまわるだけ。
……というか、香里も相当酔っているな。
そうでなければ、あんな表情で、オレにお酌なんてしてはくれないだろうからな。
「おにいちゃぁん」
甘ったるい声を出しながら、すりすりと、猫か何かが甘えてくるように、胸に抱きつき、顔をこすってくる栞。
こちらも頬を真っ赤に染め、目は、潤んで光っている。
そんな、危険な色香をまとった少女がオレの腕の中にいる。
……シラフだったら、一発KOものだな。
「おう、なんだ? 可愛いやつめ」
くしゃくしゃと、癖のないさらさらとした栞の髪をなでる。
「あん……」
気持ちよさそうに、妙に色っぽい声を出しながら、栞は目を細める。
「ご主人様……」
その栞の姿に触発されたのか、はたまたちょっとした嫉妬なのか、香里までもがオレの左腕を絡めととり、ぎゅっとしがみついてきた。
栞では感じられない、豊かなふくらみの感触が腕に押し付けられるのは悪くない……いや、とても極上の感覚だった。
「どうした、香里……」
すうっと、ウエーブのかかった香里の髪をなでる。
ホゥ……と色っぽいため息をついて、オレの手のなすがままにされる香里。
その姿からは、いつもの、冷静で、しっかりとした姉の姿は全く見えなかった。
栞とよく似て、いや、それ以上に香里は甘えたがりの一人の少女だった。
……メイドの姿の時点でいつもの様子なんて皆無なんだけどな。



多分ここで何か突発的な何かが起きていれば、この後の展開は変わっていたのかもしれない。
いきなり美坂家に客が来たりとか、地震が起きたりとか、手が滑って酒をオレがこぼしてしまうとか、電話がなったりとか。
そういったものが何もなかったから、この後、ああなったのだろう。
オレは後日、そんなことを思っている。
はっきりいえば、何もこの時、オレたちを遮るものは起こらず、世界はいつも通りだった。
家の外は相変わらず、春になっても夜は寒かったし、人も電話も来ない。
水瀬家では名雪もいつも通り10時前には寝ていたし、秋子さんのあのジャムもおいしくはなってはいなかった。

そして、だからこそ――



「ご主人……さま……」
香里が口に酒を含み、ついっと、唇をオレへと向ける。

オレは……躊躇をせずにその唇に吸い付いた。

唇と唇が重なる。
お互いの暖かさを共有しながら、口に含んだ酒を、オレたちはやりとりする。
「んっ……んっ……」
香里の口から流れ込む液体。
同じ酒であるはずなのに、飲んだオレには極上の美酒のように感じられた。
「んっ……」
全ての酒をオレに「注いだ」香里は唇を離し、微笑んだ。
「どう……でした?」
「おいしかったよ、香里」
オレも微笑んで、そう答える。
ちなみに、キスをしたという意識は全くなかった。
「お兄ちゃん……私にも……」
胸の中にいる栞がねだる。
オレは香里から酒瓶を受け取り、口に含む。
そして、その小さい栞のあごを掴んで上を向かせると唇に自分の唇を重ね合わせた。
「あっ……ん……」
少し苦しげな表情をしたが、すぐに「飲み方」のコツを掴んだのか、後はスムーズにオレの酒を飲み干していく。
「ふぅ……どうだ? 栞……」
「おいしいですよ……お兄ちゃんのお酒だもん」
にっこりと微笑む栞。
とても純粋に、オレを慕ってくれている笑み。
「……そっか」
オレも微笑を返すと、再び酒を口に含んだ。
そのまま、香里に、栞に。
オレたちはそうやって飲み続けた。



止まらない行為

止まらない想い

止まらない――全てを溶かしていく、全てが混ざり合っていく

意識と、理性が混濁していく



そして――

















「はやく来なさいよ!」
「そうですよ! 早く来ないとご飯が早く作れませんよ!」
「無茶言うな! 荷物の大半オレが持ってるんだぞ!」
しかも彼女たちのいる場所は階段の上。
オレはこの荷物を抱えたまま、この階段を上らなくちゃいけないんだから。
さすがにすぐには行ける訳もない。
ゆっくりと、だけど、確実に階段を一段一段上っていく。
彼女たちの元へ。
この大きくはないけど、自分たちの家である、アパートの二階にある自分たちの部屋へ。
自分たちの幸せの象徴の、その部屋へ。
「よっこらせっと。ここからは手伝ってくれよ」
「わかったわよ」
「はいはい」
二人は笑顔で頷き、オレの抱えている荷物をいくつか抜き取り、家のドアの前に向かう。
鍵を開け、扉を開け放つ。
彼女たちを先に入らせ、オレも手の中の荷物を慎重に抱えながら、ドアをくぐる。
「これだけ労働させたんだ、今日は二人に豪勢な食事を期待するからな」
「「はいはい」」
オレの言葉に苦笑しながらも、嬉しそうに頷く二人。
オレも不満のように言っているけど、顔は笑っている。
幸せだと、三人とも感じているから。
だから、微笑んでいられる。笑っていられる。



ゆっくりと開けた扉が閉められる。
幸せな空間が、幸せな生活が、このドアの向こう側にはあった。

その閉じた扉の少し右上。
簡単に素っ気なく、木製の表札がかかっている。
手作りであろう、字もバラバラだった。
一人は丁寧に、一人は丸っこく、一人はちょっと雑に名前が彫ってあった。
でも、その表札には希望が詰まっていた。
この部屋を借りた時に真っ先につけられた、この表札。
そこには、この部屋の住人の三人の名前があった。









相沢 祐一
     香里
   栞









そう、記されていた。



「じゃあ、オレもなんか手伝うかな」
「そうですか? じゃあこれお願いです、祐一さん」
「やめなさいよ、失敗するのがオチよ? 祐一」



笑って、泣いて、苦難を三人で過ごす。
たとえ、それが世間とは違ったカタチでも。
まぎれもなく、三人は、幸せだった。







Fin



5万HITおめでとう!!
約束どおり、書きましたぜ! 旦那!!
実はこのSSには、もう一つ違った終わり方があったりするんだが、それはまぁ、後日公開するよ(笑)
さぁ、堪能してくれ! メイドいもうとを!!!
はっはっはっはっはっはっ!!

「……兄さんが、壊れて申し訳ありません。兄に、管理人というか筆者に代わってお詫びします」

HIIRO&YUIでした!
Studio Sky

〜後書き〜 by HIRO
SSどうもです。
しかし、どうも最近貰う作品の内容がを狙ったものばかりなのは気の所為ですか?(死
誤解が生じてるようなので言いますが、
私はシスコンでもメイドフェチでもありません!!
ましてや水面下で囁かれるネコミミ好きなど……ネコミミ好きなど…………

……
………
ごめんなさい、嘘吐きました。
実はどれも大好きです(マテ
今度は巫女をリクエストするかも(死
ともか〜く、こんな俺にピンポイント爆撃な作品!!!
ありがたう!!(魂込めて)
と言うしかありません(ぉぃ?

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