夜襲天野


「あ、相沢さん」

「ん?」

放課後の一部始終

「美坂さんが呼んでいましたよ」

うそではない

「げ…これから帰るという時に」

それでも渋々と一年の教室に行くのが相沢さんのいいところであり

「あ、鞄私が持っていますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

馬鹿なところだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてと

作戦実行に移りましょう

まあ、作戦と言っても鞄の中身を一つ拝借するだけですけど

「ノート…これでいいですね」

相沢さんが教材を持って帰るということはそれが課題であるという証拠である

「あとはこれを相沢さんの机に入れておけば…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「祐一…私のノートは?」

「あ、ちょっと待ってろ」

時刻は十九時

夏ならばまだ微妙に明るいだろうが冬なので外は真っ暗だ

「うん、というわけで忘れた」

「また?」

「帰りに入れたはずなんだけどな…仕方ないから取って来る」

「外…寒いよ、それにそこまで必要ないから明日でもいいけど」

「いや、忘れた俺が悪いんだ」

というわけで学校へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、これだ」

確かに帰りに鞄にいれておいたはずのノートは机に入っていた

「やっぱ忘れただけなんだろうな」

まあ見つかったから帰ろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごんっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかここまでうまくいくとは思いませんでした

「うぅ〜」

ここは保健室

ここに来る途中になぜか川澄先輩に会いましたが…まあ簡単にごまかせました

「頭が痛い…ってここはどこだ!」

どうやらお目覚めのようです

「天野、ここはどこだ!ってかなんで俺はベッドに繋がれているんだ!?」

決まっているじゃないですか

「おい…まさか」

「相沢さんほど単純な人間はそうはいませんよ」

「なんのことだ」

「あのノートを相沢さんの鞄から取ったのは私です」

「ほう…」

「まあ相沢さんのことだから取りに来るだろうと思いまして学校で待ち伏せていたわけです」

「へえ」

「で、こうなったわけです」

「ふむ」

思ったより落ち着いていますね

「最近ご無沙汰でしたから…」

おいしく頂きます

「いや、俺としては体がもたないのでやめてほしいのですけど」

「却下」

「やっぱそうなるのか」

「ここは保健室ですからね、遅刻の心配はありませんよ」

「授業中に寝たら意味ないと思います!」

「いつものことじゃないですか」

「ひどい!」

「というわけで諦めてくださいね」

「いやあああああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝

がらら

ふむ、今日も一日暇でありますように←保険医

まあ、一応仕事はするけどな

「まずはベッドのシーツを洗濯だな」

シャッ←ベッドのカーテンを開く

「ん?」

「すう」

「くう」

「げ!」

なんだこいつら!


あとがき

唐突に思いついた割にはなかなかいい感じで書けた気がします