俺は商店街の外れにエアガンショップがあるのを発見した。

 こっちに来る前はそれなりにサバイバルゲームをしていた俺だ。それを発見して血がうずかないわけは無い。

 と、言うわけで早速エアガンショップにゴーだ。

 

 

さばいばるげ〜む

 

 

 ああ、久々だな。こうガンに囲まれると言うのは。

「いらっしゃいませ〜」

「あ、どうも」

 店員が挨拶してくる。何やら見た顔だな……

「って北川!?」

 つーか店員が北川だった。

「お前バイトってここの店員だったのか!?」

「俺を冷やかしに来たんじゃなかったのか!? それじゃ何のようだ?」

「おいおい、冷やかしにって……俺はどんなヤツだよ」

「人がバイトしてると知ったら、その場所を付きとめて冷やかしに来るようなヤツ」

 それは作者だ!! まあ、こう言う事は反論すれば反論するだけドツボにはまるような記憶があるので流しておこう。

「ここに来る用事ってってたら『銃を見に来た』以外無いだろう」

 俺のそのセリフを聞いた北川の瞳が怪しく光る。

 嫌な予感がするのは俺っだけか?

「旧チェコと言えば?」

「CZ75もしくはVZ61」

「ドイツ、クローズドボルト&ローラーロッキングと言えば?」

「H&K、G3&MP5」

「コブラ?」

「オーストリア対テロ特殊任務部隊、採用銃は同国のステアー&グロック」

「コルトと言えば?」

「人によって変わるだろうが俺はパイソン」

「ドライ?」

「いや、俺はアイン」

「イタリア・フランキ社製セミオートマチックショットガンといえば」

「SPAS12」

「アメリカ海軍特殊部隊SEALs。その名前の由来は?」

「海(SEA)、空(AIR)、陸(LAND)。その全ての戦闘技術を見に付けている事より」

「最後だ。9mmルガーとは?」

「9×19mm弾。通称9mmパラベラム。世界で一番使用されているハンドガンブリット。ちなみにパラベラムとは備えると言う意味だ」

「OK。お前はパーフェクトだ。」

 ガシッと俺と北川は熱い握手を果たす。

 うむ、男の友情再確認だな。

「お前向こうでは相当やり込んでただろう?」

「わかるか?」

「あの質問に答えられるヤツは一般人には居ない」

 サバゲーマーって一般人じゃなかったのか!?

 いや、北川の言いたいのはそう言う事じゃないんだろうけどな。

「お前も相当やってるみたいだけどな」

「どうだ、相沢。今度一緒にサバイバルゲームでもしないか?」

 うむ、血がうずいてしょうがない所だったんだ。その話、乗った。

「是非も無い」

「言いまわしが微妙に古いのは気のせいか?」

 気にするなよ。俺も微妙に思ったんだから。

「んで、人数はどれくらいでやるんだ?」

「それはお前の腕に掛かっている」

 意味がわからんぞ? どういうことだ?

「がんばって美坂や倉田先輩達を誘ってくれな」

「は?」

「がんばって美坂や倉田先輩達を誘ってくれな」

 二回言わんでも聞こえてるわ。にしても……

「マジっすか?」

「本気と書いてマジだ」

「使用する銃はどうする? 俺は三人分用意するのがやっとだぞ」

「ちっちっちっ、甘いな相沢。家に帰って秋子さんに相談してみろ」

 ぐはっ! なんとなく予想していたとおりの答えだぁぁぁぁぁぁぁ!?

「あの人はこの世界の「それ以上は言わんでいい!」」

 あまり不用意な発言をするとこの世界の事情が変わりかねん。気を付けるんだ北川!

「まあ、一応声はかけてみるわ」

「頼んだぜ。んで、今日は何か買っていくのか?」

「ヴァーテック。M92IAはあるか?」

「IAね。予備マグは?」

「2個」

「了解」

 う〜む、何気に手馴れてるな。長くやってそうだな、このバイト。

「んじゃ、全部で23200円だ」

「まけてくれ」

「これで十分まけとるわ!! ガスもサービスしてやっからさっさと出せ」

 ちっ、まけれんかったか。まあガスも付いたし問題ないかな。

 金を渡し商品を受け取る。

「産休」

「微妙に字が違うぞ」

 気のせいだ。

「それじゃ、秋子さんにでも相談してみるわ。OKが取れたら連絡する」

「了解。こっちはフィールドを確保しておく」

 さて、さっさと帰るかな。

 

 

「お帰りなさい、祐一さん」

「ただいまです」

 いつもの如く秋子さんに迎えられる。毎度思うんだが秋子さんは実はずっと玄関に居るのではないだろうか?

「秋子さ、お願いが「銃なら人数分用意しておきました。昔の物ですけど」ですが?」

 何で言う前からわかったんだろう? しかも用意できてるんだろう?

「知りたいですか? 祐一さんになら教え「丁重に辞退させていただきます」残念ですね」

「ガレージのほうに用意してあります。先ほども言いましたが古いものなので使う前には整備をしたほうが良いと思いますよ」

「わかりました。後で確認しておきます」

「あっ、それと庭に20mのシューティングレジンを作っておきましたので活用してください」

 キッチンに下がりかけていた秋子さんが思いだしたようにのたまった。

 ……は? シューティングレジン……!?

 秋子さん、貴女はいったい何者ですか?

 

 

ガララッ

ガン!

 ガレージに入った俺は何者かに鼻を直撃された。

「痛ぅ〜」

 途方も無く痛いぞ。いったい何だこれは?

 布の塊から伸びるのは……銃身?

 この長いバレル、超大なマズルブレーキ……

 もしかしてコレ……(汗)

 なんとなく想像しながら俺はかかっている布を剥いだ。

「バレットM82A1……」

 やっぱりか(涙)

 何でこんな最新な銃があるんすか、秋子さん!

 古いヤツじゃなかったんですか!?

 などと思いながら周囲も見渡してみると……

「M60?」

「M249 MINIMI?」

 ……な、何も言うまい(汗)

 すこぶる付きに凄まじい物ばかりなんですが?

 アサルトライフルにいたっては壁に所狭しと立てかけられてるし(滝汗)

「ん、何だコレは?」

 一つだけ異様な、油紙に包まれた物があった。

ガサガサ

ガサッ!

「…………」

 お、おおお俺は何も見てないぞ(汗)

 何も見てない! 9mmパラベラム弾なんて見てない!!(滝汗)

 一緒に置かれてたハンドガンもSMGも俺は見てないぞ!!!(涙)

「さ、さて、今日買ったIAを撃ってみるかな(大汗)」

 とりあえずシューティングレジンに行こう。

 ここにあるガンは問題無い事もわかったし(汗)

 

 

ダダンッ!

 ひとまず的に向かってダブルタップを決めてみる。

 うん、悪くない。つーかむしろ良い。

 変な癖も無く素直な銃だ。薄いグリップも握りやすくて良い感じだ。

 さて、ホップの調整だな。

ダンッ

 う〜む、微妙に効き過ぎか? 少々弱めてみよう。

ダンッ

 こんなものかな。ホップは微妙に弱く感じるぐらいがちょうど良いからな。

ダダンッ、ダンッ、ダンッ…………

 ホップ調整後、とりあえずこの銃に慣れるために数十発撃ってシューティングレジンを後にした。

 

 

「よっと」

 しまってあった荷物の中から自分の銃を取りだす。

 M16A2、SR16、AK47S、MP5RAS、そしてP90。

 一通り長物をいじる。

 うむ、綺麗だ。問題無し。

 次いでハンドガン。

 ガバメント、SIG P226、パイソン、G19、CZ75、そして今日手に入れたIA。

「う〜ん、SIGの作動が微妙か?」

 後で分解整備だな。

 次はショットガン。

 M3ショーティー、SPAS12共に問題無し。

 うむ、相変わらずいかつい銃口だ。

 さて後残ってるのはM203グレネードランチャーとカートか。

カチャッ

ガオォォン!!

「相変わらずの迫力だな」

 問題の『も』の字も無いな。

 よし、俺の準備は万端だ。

 明日にでも香里達を誘ってみよう。善は急げだ。

 楽しくなりそうだ。

 

 

〜つづく〜