さて、皆の銃選びも終わったし、後は扱い方を説明しないとな。

「んじゃ、皆注目! 今から銃の扱い方を説明するぞ」

 俺はガレージの中で見つけていたコルトガバメントを取りだす。う〜む、コレも良い銃んだな〜

「まずはハンドガンの扱い方からだ。コレは通称オートマチックと呼ばれる種類のハンドガンだ。最初に各部名称を説明する。まあ、始めから全部は覚えきれないだろうから、撃つために覚えとかないといけない部分だけだけどな」

 ガバメントのスライドを前後させる。

「コレがスライド。日本語名だと遊底と呼ばれている」

 次に親指でハンマーをコックする。

「んで、コレがハンマー。日本語名だと撃鉄だな。この状態をハンマーがコックされた状態と言う。ま、撃鉄が起きてるって事だな」

 トリガーを引く。その瞬間コックされていたハンマーがダウンする。

「コレがトリガー。引き金だな。さっきみたいに不用意に引き金を引くのは危け」

「あの、相沢さん……」

「ん、なんだ?」

「どうしていちいち日本語名を言うとき私の方へ向き直るのですか?」

 

 

さばいばるげ〜む・銃の扱い方編

 

 …(汗)

 ……(流汗)

 ………(滝汗)

「……き、危険なので不用意にトリガーは引かないように」

「そんな酷な事ないでしょう」

 うぐぅ、視線が痛い。視線が痛いお〜

「それぼく(私)のセリフ……」

 おいおい、名雪。『お〜』はセリフじゃないだろう、セリフじゃ。

 ちょっとマテ、何故に聞こえた!?

 もしかしてまた?

「進歩が無いわね……」

 しみじみと言わないでくれ、泣きたくなるから……(涙)

「ゴホンッ、説明を続ける。コレがマガジンキャッチ。このボタンを押す事によってマガジンが排出できる」

 マガジンキャッチを押し、マガジンを取りだす。

「コレがマガジン。コレに弾を込めるわけだ。ま、ガスガンの場合は一緒にガスも込めるんだがな」

シューッ(ガスを込める音)

コツコツ……(弾を込める音)

「コレでマガジンの準備は終わり。コレを銃に装填する」

コッ

「スライドを引く」

シャキンッ!

「後は的に向けてトリガーを引く」

ガンッ!

ガンガンッ!!

「ま、説明はこんなところかな。んじゃ、みんな自分の銃を使ってみてくれ。質問があればそのつど聞く」

「「「「「「「「は〜い」」」」」」」」

 

 

 ガンガンと音が響く。

 なんとなく後から俺はみんなの銃の扱い方を眺めている。

 何と言うか、印象どおりだ。

 佐祐理さんと美汐は一発ずつ丁重に撃っている。

 かたや名雪、あゆ、真琴、栞の四人ははトリガーハッピー状態……

 香里と舞は素早く連謝したり、丁寧に撃ったりマイペースに撃っているようだ。

「祐一! 祐一!!」

 いきなり真琴が俺を呼ぶ。何か起こったのか?

「どうした?」

「スライドが戻らないのよう」

 ああ、なるほど。弾を撃ちきってスライドがストップしたんだな。

 そう言やスライドストップの説明を忘れてたな。

「悪い悪い。説明を忘れてた」

 と言うわけでスライドストップの説明を行う。

「んじゃ、もっかいこっちに注目」

 みんなの目がこちらを見たころを見計らい、的に向けてガバメントを連射する。

ガガンッ!

ガッキンッ!!

 弾を撃ち切った事によりスライドストップが掛かる。

「コレがスライドストップだ。弾を撃ち切ったら自動的に掛かるようになっている」

チャキッ!

「マガジンチェンジをして指でスライドストップを下ろすか、もう一回スライドを引くかすればスライドは元の状態に戻る。以上だ」

 

 

 大分ハンドガンの使い方は覚えたみたいだな。よし、次は長物の説明だな。

「それじゃ、ライフル系の使い方を説明する」

 SR−16を取りだし、皆の前に掲げる。

「コレは電動ガンと呼ばれるタイプの銃だ。扱い方は簡単。銃にバッテリーをつないぐ。次にマガジンに弾を込め装填、セーフティを解除してトリガーを引くだけだ。ちなみにセーフティはセレクターレバーを兼ねてる。用は単発か連射かを切り替えるレバーだ。コレを連射に合わせたらフルオートが出来るわけだ」

ガガガガガガガ!!

「ま、こんな感じだな。いじってみるのが一番早い。と言うわけで自由射撃」

 俺の言葉に各陣、自分の選んだ銃を持って射撃レジンに戻りだす。

「美汐と舞はちょっと残ってくれ」

「はい?」

「……?」

 不達が怪訝な表情で俺を見る。ま、二人残されたらそうだわな。

「二人が持ってるイングラムとスナイパーライフルは扱い方が微妙に違うから、それを説明しようと思ってな」

「わかりました」

「はちみつくまさん」

 んじゃ、イングラムの説明からはじめるか。

 こっちのほうがハンドガンに扱い方が近いからな。

「それじゃ、舞。イングラムを貸してくれ」

 ごそごそとイングラムを取りだしさし出す。

 う〜む、相変わらず小さいSMGだ。

「扱い方はハンドガンとほぼ同じ。マガジンに弾とガスを込める。そしてマガジンを――

ジャキッ!

 ――銃に装填する。そしてボルトを引く。ここがハンドガンと違うところだな。ま、ボルトとスライドのやっている事は同じだな」

シャキンッ!

「後はトリガーを引けば良い。フルオートのサイクルはかなり早いからな。弾切れには要注意だ」

ガァァァァァァァ!

「気に入ったか?」

「はちみつくまさん」

 イングラムを受け取った舞の表情が、新しいおもちゃを与えられた子供の顔とダブったのは気のせいだろう。

 

 

「次はスナイパーライフルだな。コレはボトルアクションライフルと呼ばれるタイプで、このボルトを動かす事により次弾を装填を行う。だから撃つたびにボルトを動かさないといけない」

ガキンッ

「その代わり一発の精度は折り紙付き。スコープを装備しているから遠くの的にも一発だ」

ダンッ!

「な」

 俺の撃った弾は的の中央を撃ちぬいた。

「なかなか難しいですね」

「ま、用は慣れだな。俺はあまり得意じゃないけど、得意なヤツなら相手に気付かれずにヒットできる。奥が深い武器だな」

「なるほど……うまく扱えるよう練習してみますね」

「おう、がんばれ」

 

 

 さてと、俺も練習でもしておくか。

 まずはハンドガン。

サッ

ガガンッ!

ガンガン!!

ガンッ!

 バックサイドホルスターからの抜き撃ち。

 命中率は……5の4か。駄目だな……

 よう練習だ。

ガガンッ!

ガンッ!

ガンッ!

 

 

〜つづく〜