山を使って作られたフィールドの広さは縦200、横100。面積にして2ha。かなり大きいフィールドと言って良いだろう。

 久しぶりのサバゲーに心が踊る。

 カチャカチャとせわしなく自分の銃をいじる。

 まるでビギナーだな。

 さて、後は北川チームが来るのは待つのみ。

 早く来い、北川!!

 

 

さばいばるげ〜む・震える山、前編

 

「お〜す、待ったか?」

 おっと北川が到着し……って、ええ!?

 何故に久瀬と斎藤が?

「ま、そう驚くな。俺のチームは会長と斎藤だ」

 なるほど、北川のチームは脇チームなんだな。

 妙に納得してしまったのは秘密だ。

 ちなみにチーム分け及び武装は――

第1チーム

 祐一 SR−16、M203グレネードランチャー、M92IA

 香里 MP5A4、CZ75

 美汐 M24ソーコムスナイパー、MP5KA4、コルトパイソン4inch

第2チーム

 佐祐理 M4A1、コルトガバメント・ウィルソンコンバットサービスグレイドCQB

 真琴 ステアーAUGミリタリー、ベレッタM8000INOX・クーガー×2

 栞 UZI、CZ75

第3チーム

 舞 イングラムM11×2、ベレッタM93R

 名雪 P90、グロック17

 あゆ MC51、ワルサーP99

第4チーム

 北川 M16VNver、M203グレネードランチャー、ガバメント・ミリタリー

 斎藤 AK47、トカレフTT−33

 久瀬 SIG・SG550、SIG・PRO・SP2340

 ――こんな感じだ。

 何やら北川が抱えている大きな荷物が気になるな。

 さて、全員そろった事だし、ゲームを始めようか……

 

 

「これからそれぞれのチームは四隅に移動する。四隅に移動後、班長は準備ができしだいこのトランシーバーでその旨を伝える。全班の準備が完了したら試合開始。レギュレーションは弾数制限無し。ただし多弾マグ、弾の注ぎ足しは禁止。持っているマガジンに込めている弾数で勝負だ。無論、パワーアップカスタムは認めない。そしてルールはワンヒットエンド方式の殲滅戦。ヒットされたものはセーフティーゾーンで待機。以上……各員移動開始!!」

 北川がゲームのルールを説明する。

 妙に軍人っぽいのは気のせいじゃあるまい……

 いやま、その気持ちはわからんでもないが(苦笑)

 さあ、ゲーム開始まで後少しだ。

「それじゃ移動しよう。移動しながら地形を頭に叩き込んでおく事を忘れるな」

「ええ」

「はい」

 

 

 なかなか草木の成長は良い。隠れるには良い感じだ。

 まあ、待ちの戦法を取られたらかなり厄介そうだが(苦笑)

「ざっと見た感じ、ブッシュ――壁になる草木――は濃い。今回スナイパーはかなり有利だぞ」

「隠れられる場所があるのに強いのですか?」

「そのとおりだ」

 俺の言葉に香里も美汐は釈然としない様子だ。

 ま、普通はそうだろけどな。

「隠れる場所が多い、コレは理解したな?」

「ええ」

「はい」

「隠れる場所が多い。言いかえれば障害物が多い。その利点は敵の弾を遮断してくれる事。そして敵に見つかり難い事」

 俺の言葉に二人はコクコクと頭を振る。

「そしてその敵に見つかり難いって言う利点を最大限に活かすのは動かない事。俺や香里はもちろん、ほかのチームのやつらの装備を見る限り全員が歩兵系の装備だ。裏を返せば歩兵戦闘をするって事だ。と言う事は動く。どれだけ障害物があろうが、動くものを見つけるのは容易。見つかり難く、見つけやすい。待ち戦法のスナイパーの独壇場ってとこだな」

「「なるほど」」

 うむうむ、理解が早くておにいさんは嬉しいぞ。これがまこぴーやあゆあゆなら……こ、怖い想像になった。

 

 

「さて、弾込めをしながら聞いてくれ」

 隅に到着して、銃に弾を込める香里達に呼びかける。

 ま、作戦会議ってヤツかな。

「今回は美汐を最大限に活かすために香里と俺のツートップで戦闘する。俺と香里が派手に動く。そして美汐は静かに迂回。スナイパーポジションをとるわけだ。香里は俺の半径5mから10mの距離内に」

「なんなの、その半端な距離は?」

 うむ、かおりん。良いところに気が付いた。

「その呼び方は止めなさい!!」

 え、笑顔が素敵に怖いぞ(汗)

 まるで作者の姉のようだ(おいこら!?by作者

 いかん、険しさを増した。真面目に答えねば命にかかわる!?

「この距離はなバックアップも出来て同時ヒットされない距離って事だ。こう言う小隊単位の戦闘で一番怖いのは同時ヒットだからな。それを回避するために距離をとるわけだ。で、だ。せっかくの小隊なのに距離をとりすぎたら連携はおろか補助も出来なくなる。それで付き過ぎず、離れ過ぎずなあの距離になるわけだ。ユーアンダースタン?」

「距離の意味はわかったけど、最後の似非外人な言葉使いが無駄にムカツクわ」

 言うな。それは作者が英語苦手なんだから……

 なんか、もう今年も英語の単位、落ちるのがほぼ確定したらしいぞ……

「本当に救いようのないバカね……」

 ほっとけ!!(涙)by作者

「さて、こっちは準備できたが?」

「こっちもOKよ」

「私も準備は終わりました」

「んじゃ、北川に連絡を入れるか」

 バックからトランシーバーをとりだし、チャンネルと北川のものに合わせる。

 よし、後は喋るだけだな。

「こちら第1チーム。準備は整った。繰り返す、準備は整った」

『こちら第4チーム。第2、第3チームの準備もOK。3分後に開始だ。繰り返す、3分後に開始だ』

「第1チーム、了解」

 トランシーバーを切り、バックに戻す。

 後3分か……

「聞こえたな。後3分でゲーム開始だ。銃の準備はOKか?」

「もちろんよ」

「大丈夫です」

 うむ、頼もしいものだ。

 50秒……40秒……30秒……

 20秒……10秒……8、7、6、5、4、3、2、1……

「戦闘開始!!」

 

 

〜つづく〜